「屋根の葺き替えを勧められたけれど、いくらかかる?」「30坪くらいの家なら100万円台でできる?」「カバー工法ではだめなの?」と迷っていませんか。
屋根の葺き替えは、現在の屋根材を撤去し、防水シートや必要に応じて下地を補修したうえで、新しい屋根材へ交換する大規模な屋根リフォームです。
一般的な戸建てでは、100万〜220万円前後が一つの目安になりますが、既存屋根材・新しい屋根材・屋根面積・勾配・下地の劣化・石綿の有無などによって、70万〜240万円程度、あるいはそれ以上になるケースもあります。
特に注意したいのは、「延床30坪=屋根面積30坪」ではないことです。同じ30坪の住宅でも、平屋・2階建て、屋根の形、勾配によって実際の施工面積は大きく変わります。
先に結論
① 30坪前後の戸建てなら100万〜220万円前後を予算の目安にする
② 瓦の撤去・下地補修・複雑な屋根では200万円を超えることがある
③ 下地まで傷んでいる場合はカバー工法より葺き替えが適している
④ 古い屋根では石綿の事前調査や撤去費も確認する
⑤ 「葺き替えしかできない」と言われた場合も、1社だけで決めず診断理由を比較する
屋根工事全体の費用や工法から確認したい方は、屋根リフォーム完全ガイドも参考にしてください。
- 1 屋根の葺き替え費用はいくら?30坪の相場
- 2 屋根葺き替え費用の内訳
- 3 葺き替え費用が高くなりやすい7つのケース
- 4 葺き替えとカバー工法は何が違う?
- 5 葺き替えを検討したい屋根の状態
- 6 葺き替える屋根材は何を選ぶ?
- 7 屋根の葺き替え工事は何日かかる?
- 8 古い屋根は石綿(アスベスト)の事前調査も確認
- 9 屋根の葺き替えで建築確認は必要?
- 10 屋根の葺き替えで補助金は使える?【2026年】
- 11 台風などで壊れた屋根は火災保険が使えることもある
- 12 屋根葺き替えの見積もりで確認したい10項目
- 13 「今すぐ葺き替えないと危険」と言われても即決しない
- 14 屋根の葺き替え費用を抑える5つのポイント
- 15 屋根葺き替え費用のよくある質問
- 16 まとめ|屋根の葺き替えは費用だけでなく「本当に必要か」を比較する
屋根の葺き替え費用はいくら?30坪の相場
屋根の葺き替え費用は、30坪程度の一般的な戸建てで100万〜220万円前後を一つの目安にすると資金計画を立てやすくなります。
ただし、既存の屋根材と新しく施工する屋根材の組み合わせによって費用差があります。
| 現在の屋根 | 新しい屋根 | 30坪前後の費用目安 |
|---|---|---|
| スレート | スレート | 約70万〜200万円 |
| スレート | 金属屋根 | 約100万〜200万円 |
| 瓦 | スレート | 約90万〜200万円 |
| 瓦 | 金属屋根 | 約100万〜210万円 |
| 瓦 | 瓦 | 約100万〜240万円 |
表はあくまで一般的な目安です。同じ30坪でも、平屋は2階建てより屋根面積が大きくなりやすく、寄棟・入母屋など複雑な形状では材料ロスや施工手間が増えます。
屋根リフォーム全体の費用比較は、屋根リフォームの費用相場で詳しく解説しています。

屋根葺き替え費用の内訳
葺き替えの見積もりは、新しい屋根材の価格だけでは決まりません。
一般的には、既存屋根の撤去から足場・防水・下地・板金まで複数の費用が含まれます。
| 工事項目 | 主な内容 | 費用が変わるポイント |
|---|---|---|
| 仮設足場 | 安全な施工のための足場・養生 | 建物の高さ・敷地条件 |
| 既存屋根の撤去 | 瓦・スレート・金属屋根などを撤去 | 屋根材・重量・石綿含有の有無 |
| 廃材処分 | 撤去した屋根材の運搬・処分 | 廃材量・種類 |
| 野地板・下地補修 | 腐食・たわみ等を補修 | 劣化範囲 |
| 防水シート | ルーフィング施工 | 製品グレード・屋根面積 |
| 新しい屋根材 | スレート・金属・瓦など | 材質・商品グレード |
| 板金・役物 | 棟・軒先・ケラバ・雨押えなど | 屋根形状・棟の長さ |
見積書が「屋根工事一式 180万円」のように一式表記だけになっている場合は、撤去・下地・防水シート・新規屋根材・板金・足場などの内訳を確認しましょう。
葺き替え費用が高くなりやすい7つのケース
1. 屋根面積が大きい
材料費・撤去費・防水シート・施工費など、多くの項目が屋根面積に比例して増えます。
2. 屋根の勾配が急
急勾配の屋根では安全対策や屋根足場が必要になる場合があり、施工費が上がることがあります。
3. 寄棟・入母屋など形が複雑
棟や谷が多い屋根は、板金加工や材料の切断が増え、単純な切妻屋根より施工手間がかかります。
4. 野地板など下地が傷んでいる
雨漏りや結露などで下地が腐食している場合、屋根材を新しくする前に補修・交換が必要です。
5. 瓦など撤去する屋根材が重い
撤去・荷下ろし・運搬・処分に手間がかかる屋根材では費用が増える傾向があります。
6. 石綿を含む建材への対応が必要
古い屋根材では石綿含有の有無を確認する必要があります。含有が確認された場合は、法令に沿った撤去・運搬・処分が必要となるため追加費用が発生します。
7. 高性能な屋根材・防水シートを選ぶ
断熱材一体型の金属屋根や高耐久タイプの防水シートなど、材料のグレードを上げれば初期費用は高くなります。
葺き替えとカバー工法は何が違う?
屋根全体をリフォームするときに比較されやすいのが「葺き替え」と「カバー工法」です。
| 比較項目 | 葺き替え | カバー工法 |
|---|---|---|
| 既存屋根 | 撤去する | 基本的に残す |
| 費用 | 高くなりやすい | 比較的抑えやすい |
| 撤去費・処分費 | 必要 | 少ない |
| 下地確認 | 屋根を外して直接確認しやすい | 制約がある |
| 屋根重量 | 軽量化も可能 | 既存屋根に新しい屋根を重ねる |
| 向いている状態 | 下地劣化・雨漏り・瓦屋根など | 下地が比較的健全な屋根 |

カバー工法の費用・メリット・デメリットについては、屋根カバー工法とは?費用相場・メリット・デメリット・葺き替えとの違いで詳しく解説しています。
葺き替えが本当に必要か、複数社の診断を比較する
屋根工事は、同じ状態でも「葺き替え」「カバー工法」「部分補修」など会社によって提案が分かれることがあります。高額な工事ほど1社だけで決めず、屋根の状態・必要工事・見積もり内容を比較して判断しましょう。
【PR】当サイトでは一部広告を利用しています。
葺き替えを検討したい屋根の状態
高額だからといって、すべての屋根でカバー工法を選べるわけではありません。
次のような場合は、既存屋根を撤去して状態を確認できる葺き替えが検討されます。
- 屋根材の割れ・腐食・欠損が広範囲にある
- 複数箇所から雨漏りしている
- 野地板など下地の劣化が疑われる
- 既存屋根が瓦でカバー工法に向かない
- すでにカバー工法が施工されている
- 屋根を軽量化したい
- 屋根全体を長期的に更新したい
逆に、屋根材そのものや下地がまだ健全で表面の劣化が中心なら、塗装や部分補修で対応できることがあります。
「屋根塗装をしないとどうなるのか」を確認したい方は、屋根塗装しないとどうなる?放置リスク・劣化サインも参考にしてください。
葺き替える屋根材は何を選ぶ?
ガルバリウム鋼板などの金属屋根
軽量で、瓦屋根からの軽量化を目的とした葺き替えでも候補になりやすい屋根材です。商品によって断熱材一体型などもあります。
スレート
比較的軽量で価格帯も抑えやすい屋根材です。一方、商品や環境によっては将来的な塗装などのメンテナンスも考える必要があります。
瓦
耐久性が期待でき、塗装を基本としない粘土瓦もあります。一方で重量があるため、建物の状態や構造を確認して選ぶことが重要です。
屋根材は本体価格だけでなく、今後のメンテナンス方法・重量・断熱性・耐久性・住宅にあと何年住む予定かまで含めて比較しましょう。
屋根の葺き替え工事は何日かかる?
一般的な戸建ての葺き替えでは、おおむね1〜2週間前後が目安です。
ただし、屋根面積・屋根形状・下地補修・天候によって変わります。
| 工程 | 内容 |
|---|---|
| 足場設置 | 足場・養生を設置 |
| 既存屋根撤去 | 屋根材を撤去して下地を確認 |
| 下地補修 | 必要に応じ野地板などを補修 |
| 防水施工 | 新しい防水シートを施工 |
| 新規屋根施工 | 新しい屋根材・棟板金等を施工 |
| 確認・足場解体 | 完了確認後に足場を撤去 |
屋根を撤去する工程があるため、施工会社が雨天時の養生や工程管理をどのように行うかも確認しておきたいポイントです。
古い屋根は石綿(アスベスト)の事前調査も確認
屋根の葺き替えでは既存屋根材を撤去するため、古い住宅では石綿含有建材への対応が費用に影響することがあります。
現在、建築物の解体・改修工事を行う際は、法令に基づいて石綿含有の有無を事前に調査する必要があります。
さらに、建築物の改修工事で請負金額が税込100万円以上の場合は、元請事業者による事前調査結果の報告対象となります。
「アスベストが入っているか分からないので、そのまま撤去する」という説明には注意してください。見積もり時に、石綿事前調査と、含有が判明した場合の追加費用を確認しておきましょう。
参考:厚生労働省「石綿総合情報ポータルサイト」(2026年9月確認)
屋根の葺き替えで建築確認は必要?
2025年4月から木造戸建ての大規模リフォームに関する建築確認の扱いが変わったため、「屋根の葺き替えでも確認申請が必要なのでは?」と不安に感じる方もいるでしょう。
国土交通省では、屋根ふき材のみを改修する工事は、大規模の修繕・大規模の模様替えには該当しないと整理しています。
一方で、屋根材だけではなく屋根を構成する主要な部分まで広範囲に改修する場合などは判断が変わる可能性があります。
下地・構造部分まで大きく補修する予定なら、施工会社や設計者に建築確認の要否を確認してください。
参考:国土交通省「屋根及び外壁の改修に関する建築基準法上の取扱いについて」
屋根の葺き替えで補助金は使える?【2026年】
屋根材を新しくするだけの葺き替え工事が、国の補助制度で一律に補助されるわけではありません。
一方、2026年の「みらいエコ住宅2026事業」では、条件を満たす屋根・天井などの躯体の断熱改修が補助対象工事に含まれます。
そのため、葺き替えと同時に断熱改修を検討する場合は、対象住宅・断熱性能・使用する製品・必須工事の組み合わせなどの条件を施工会社へ確認しましょう。
「屋根を葺き替えれば補助金が出る」とは限りません。補助制度は対象工事・住宅要件・申請時期などが決められているため、契約前に最新の公式情報を確認してください。
参考:国土交通省「みらいエコ住宅2026事業」(2026年9月確認)
台風などで壊れた屋根は火災保険が使えることもある
台風・強風・飛来物など、契約している火災保険の補償対象となる事故によって屋根が損傷した場合は、修理費が補償される可能性があります。
ただし、経年劣化による屋根の葺き替え費用を火災保険でまかなえるとは限りません。
災害後に雨漏りした場合の流れは、台風後に雨漏りしたら火災保険は使える?も参考にしてください。
屋根葺き替えの見積もりで確認したい10項目
見積もりは総額だけで比較せず、最低でも次の内容を確認しましょう。
- 屋根の実測面積
- 既存屋根材の撤去費
- 廃材の運搬・処分費
- 石綿事前調査と追加費用の条件
- 野地板の補修・増し張り範囲
- 防水シートの商品・グレード
- 新しい屋根材の商品名
- 棟板金・雨押えなど付帯工事
- 足場・養生費
- 追加費用が発生する条件
特に重要なのが、「なぜカバー工法ではなく葺き替えなのか」という診断理由です。
下地の腐食、雨漏り、既存屋根の種類など、写真や調査結果を使って説明してもらいましょう。

「今すぐ葺き替えないと危険」と言われても即決しない
屋根は地上から状態を確認しにくいため、不安をあおる訪問販売や点検商法にも注意が必要です。
突然訪問してきた業者から「近所で工事をしていたら屋根が壊れているのが見えた」「無料で点検する」「このままだと雨漏りする」と言われても、その場で屋根へ上がらせたり契約したりする必要はありません。
高額な葺き替えほど、その場で契約しないことが重要です。
自分で選んだ別の会社にも点検を依頼し、写真・劣化箇所・工法・見積もりを比較しましょう。
消費者庁も、屋根などの点検をきっかけに不安をあおって高額工事を契約させる「点検商法」について注意を呼びかけています。
屋根業者を比較するときは、屋根リフォーム業者の選び方もあわせて確認してください。
屋根の葺き替え費用を抑える5つのポイント
1. 葺き替えが本当に必要か確認する
塗装や部分補修、カバー工法で対応できる屋根まで葺き替える必要はありません。まず工法の妥当性を確認しましょう。
2. 複数社から見積もりを取る
同じ屋根でも、下地補修の範囲や選ぶ屋根材によって提案金額は変わります。総額だけでなく診断内容と工事範囲を比べます。
3. 屋根材を価格だけで選ばない
初期費用が安くても、将来の塗装・補修を含めると総費用が逆転することがあります。今後のメンテナンスも含めて比較しましょう。
4. 外壁工事と足場を共用できるか確認する
外壁塗装や外壁リフォームも近い時期に予定している場合は、同時施工で足場を共用できるケースがあります。
5. 利用できる補助制度を契約前に確認する
断熱改修や自治体独自制度など、工事内容によって対象になる制度があるため、契約・着工前に確認しましょう。
屋根葺き替え費用のよくある質問
30坪の屋根葺き替えはいくらくらいですか?
一般的な戸建てでは100万〜220万円前後が一つの目安です。ただし、30坪は延床面積を指すことが多く、実際の屋根面積・屋根材・形状・下地状態によって金額は変わります。
瓦からガルバリウム鋼板への葺き替え費用は?
30坪前後の住宅では100万〜210万円程度が目安になります。瓦の撤去量、下地補修、屋根面積などによって200万円を超える場合もあります。
葺き替えとカバー工法ならどちらが安いですか?
一般的には既存屋根を撤去しないカバー工法のほうが費用を抑えやすい傾向があります。ただし、下地が傷んでいる場合や瓦屋根などでは葺き替えを検討します。
屋根の葺き替えに補助金は使えますか?
葺き替えだけで一律に補助されるわけではありません。2026年は、条件を満たす屋根・天井等の断熱改修や自治体独自制度などの対象になる可能性があります。必ず最新の要件を確認してください。
屋根葺き替えは何日くらいかかりますか?
一般的な戸建てでは1〜2週間前後が目安です。屋根面積、屋根形状、下地補修、天候によって延びることがあります。
見積もりが200万円を超えたら高すぎますか?
200万円を超えたから高すぎるとは限りません。瓦撤去、広い屋根、複雑な形状、下地補修、石綿対応、高性能な屋根材などが含まれると200万円を超えることがあります。金額より工事範囲と単価を比較してください。
まとめ|屋根の葺き替えは費用だけでなく「本当に必要か」を比較する
屋根の葺き替え費用は、30坪前後の一般的な戸建てで100万〜220万円前後が一つの目安です。
ただし、屋根面積・屋根材・屋根形状・下地劣化・撤去材・石綿対応などによって、70万〜240万円程度、あるいはそれ以上まで差が出ることがあります。
重要なのは、単純に「一番安い会社」を探すことではありません。
なぜ葺き替えが必要なのか、カバー工法や補修では対応できないのか、下地をどこまで直すのかを確認したうえで比較することが大切です。
高額な屋根工事だからこそ、1社だけの診断で急いで契約せず、複数社の提案・写真・工事内容・見積もりを比較して決めましょう。
葺き替え・カバー工法の提案内容を比較してから決める
屋根は地上から状態が分かりにくく、会社によって診断や工法が異なる場合があります。「本当に葺き替えが必要か」「適正な見積もりか」を判断するためにも、複数社の提案を比較してから契約しましょう。
【PR】当サイトでは一部広告を利用しています。
制度・法令に関する参考情報:
国土交通省「みらいエコ住宅2026事業」/国土交通省「屋根及び外壁の改修に関する建築基準法上の取扱いについて」/厚生労働省「石綿総合情報ポータルサイト」/消費者庁「点検商法にご用心」
※制度・法令・補助金は2026年9月時点の情報をもとにしています。申請・契約前には必ず最新の公式情報をご確認ください。