マンションをリフォームしたいけれど、「どこまで自由に変えられる?」「管理組合への申請は必要?」「間取りや水回りは動かせる?」と迷っていませんか。
マンションのリフォームは、戸建てと違って自分の住戸だけを見て計画すればよいわけではありません。管理規約、専有部分・共用部分の区分、床の遮音基準、配管や排気ダクトの位置、工事時間、資材搬入など、建物全体のルールに合わせて進める必要があります。
この記事では、マンションリフォームでできること・できないこと、工事前に確認すべき管理規約、間取り変更や水回り移動の注意点、工事申請、工事中の生活、会社選びまで、2026年版としてまとめて解説します。
先に結論|マンションリフォームで最初に確認する5項目
- 管理規約・使用細則に工事ルールがあるか
- 変更したい場所が専有部分か共用部分か
- 床材・配管・換気・電気などに制約がないか
- 管理組合・管理会社への工事申請はいつまでに必要か
- マンション施工に慣れた会社へ相談できるか
具体的な費用相場や「500万円・800万円・1,000万円でどこまでできるか」は、費用特化の記事で詳しく解説しています。
- 1 マンションリフォームは戸建てと何が違う?
- 2 まず確認したい「専有部分」と「共用部分」
- 3 マンションでリフォームしやすい場所
- 4 マンションでは難しい・できない可能性がある工事
- 5 マンションの間取り変更はどこまでできる?
- 6 キッチン・浴室など水回りは移動できる?
- 7 床の張り替えはマンション独自のルールを確認
- 8 工事前に管理組合への申請は必要?
- 9 マンションリフォームの進め方
- 10 住みながらマンションリフォームはできる?
- 11 中古マンション購入+リフォームで確認すること
- 12 築年数が古いマンションで確認したいポイント
- 13 マンションリフォームでよくある失敗
- 14 マンションリフォーム会社を選ぶ7つのポイント
- 15 契約前チェックリスト
- 16 マンションリフォームに補助金は使える?
- 17 マンションリフォームでよくある質問
- 18 まとめ|マンションは「工事内容」より先に「制約」を確認する
- 19 参考にした公式情報
マンションリフォームは戸建てと何が違う?
大きな違いは、自分が所有している住戸内でも、自由に変更できない部分があることです。
国土交通省のマンション標準管理規約では、天井・床・壁については躯体部分を除く部分を専有部分とし、玄関扉は錠と内部塗装部分、窓枠・窓ガラスは専有部分に含まれないという考え方が示されています。
ただし、マンション標準管理規約は、各マンションが管理規約を作成・変更する際のひな型です。実際にリフォームできる範囲は、自分のマンションの管理規約・使用細則・建物構造を確認して判断してください。
国土交通省のマンション標準管理規約は2025年10月17日に改正されました。また、改正区分所有法の主要部分は2026年4月1日に施行されています。古い資料だけで判断せず、管理会社や管理組合から現在の管理規約を入手して確認しましょう。

まず確認したい「専有部分」と「共用部分」
マンションリフォームを計画するときは、変更したい場所が専有部分なのか、共用部分なのかを最初に確認します。
| 場所・設備 | 一般的な考え方 | リフォーム時の注意 |
|---|---|---|
| 室内の壁・天井・床仕上げ | 専有部分となることが多い | 床材などにマンション独自の基準がある場合がある |
| 間仕切り壁 | 非構造壁なら変更できるケースがある | 躯体壁・構造に影響する壁は変更できない |
| 窓・窓枠 | 共用部分として扱われることが多い | 個人判断で交換しない |
| 玄関扉 | 共用部分を含む扱いが一般的 | 錠や内側の仕上げのみ変更できる場合がある |
| バルコニー | 共用部分として扱われることが多い | 避難・排水・防水に影響する変更は要注意 |
| 給排水管 | 専有部分と共用部分で区分が異なる | どこまで工事できるか事前確認が必要 |
実際の区分はマンションごとに異なる可能性があります。必ず自宅マンションの規約を確認してください。
マンションでリフォームしやすい場所
管理規約や建物条件に問題がなければ、次のような工事は比較的検討しやすいでしょう。
- 壁紙・クロスの張り替え
- 室内ドア・建具の交換
- 収納・クローゼットの改修
- キッチン・浴室・トイレ・洗面台の交換
- 照明・コンセントの変更
- 非構造の間仕切り壁の変更
- 床材の張り替え
ただし、専有部分だから必ず自由に工事できるとは限りません。リフォーム内容によっては、管理組合への事前申請や承認が必要になる場合があります。
マンションでは難しい・できない可能性がある工事
構造躯体に影響する間取り変更
柱・梁・床スラブ・構造壁など、建物の主要構造へ影響する工事を区分所有者が自由に行うことはできません。
「LDKを広げたい」と考えていても、撤去したい壁が構造上重要な壁であれば取り除けない場合があります。
窓・サッシ・玄関ドアの自由な交換
窓枠・窓ガラスや玄関ドアの一部は共用部分として扱われることがあるため、個人の判断だけで交換できないケースがあります。
断熱性を高めたい場合は、内窓設置など別の方法を含め、管理会社や施工会社へ相談しましょう。
バルコニーの大幅な変更
バルコニーは専用で使用していても、共用部分として扱われるケースが一般的です。
避難経路・排水・防水などに影響する工事は特に注意が必要です。
マンションの間取り変更はどこまでできる?
構造へ影響しない間仕切り壁であれば、LDKの拡張、和室から洋室への変更、収納配置の変更などを検討できる場合があります。
ただし、壁だけを見て判断するのではなく、床・天井下地、給排水管、換気ダクト、電気配線、火災報知設備なども含めて成立するプランか確認することが大切です。
キッチン・浴室など水回りは移動できる?
マンションで水回りを移動する際に特に重要なのが排水条件です。
キッチンや浴室などの排水は、共用の排水立て管へ適切に流す必要があります。移動距離が長くなるほど排水勾配を確保しにくくなり、床を上げる必要が生じたり、希望する場所まで移動できなかったりする場合があります。
また、キッチンではレンジフードの排気ダクト、浴室では換気設備、各設備では給水・給湯配管なども関係します。
床の張り替えはマンション独自のルールを確認
マンションでは、下階への生活音対策などを目的に、使用できる床材や施工方法について管理規約・使用細則で条件を設けていることがあります。
- 管理規約・使用細則で床工事のルールを確認する
- 必要な床材・施工方法の条件を確認する
- 条件をリフォーム会社へ共有する
- 商品と施工仕様を決める
- 必要書類を管理組合へ提出する
床材を購入・契約してから規約違反が分かると変更が必要になるため、商品決定前の確認が重要です。
工事前に管理組合への申請は必要?
マンションによって手続きは異なりますが、リフォーム工事前に管理組合または管理会社への申請・承認が必要になるケースがあります。
国土交通省のマンション標準管理規約でも、専有部分の修繕・模様替えなどについて事前申請を行う考え方が示されています。
| 確認項目 | チェック内容 |
|---|---|
| 申請期限 | 工事開始の何日前までに申請するか |
| 必要書類 | 申請書・図面・仕様書・工程表など |
| 工事可能時間 | 曜日・開始時刻・終了時刻 |
| 搬入方法 | エレベーター・共用廊下の使用ルール |
| 養生 | エントランス・廊下・エレベーターの保護方法 |
| 近隣案内 | 掲示・挨拶・工事案内など |

マンションリフォームの進め方
- 希望を整理する
変えたい場所・困りごと・優先順位を整理します。 - 管理規約・使用細則を確認する
工事可能範囲、床材、申請期限、工事時間などを確認します。 - 現地調査を依頼する
配管・構造・換気・搬入条件などを確認してもらいます。 - プランと見積もりを比較する
金額だけでなく、工事範囲・申請対応・保証まで比較します。 - 管理組合へ工事申請する
必要な承認を得てから着工します。 - 共用部分の養生・近隣対応を行う
搬入や騒音への配慮について確認します。 - 完成確認を行う
仕上がり・設備の動作・保証書などを確認します。
住みながらマンションリフォームはできる?
壁紙や設備1か所などの部分工事であれば、住みながら施工できるケースがあります。
一方、住戸全体のリフォームや、水回りを複数同時に工事する場合は生活への影響が大きくなります。
- トイレが使えない期間
- 浴室が使えない期間
- キッチンが使えない期間
- 工事中の騒音・振動
- ほこり・養生
- 家具・荷物の移動
工事会社に「いつ・どの設備が・何日使えなくなるか」を確認し、必要に応じて仮住まいも検討しましょう。
中古マンション購入+リフォームで確認すること
中古マンションを購入してリフォームする場合は、購入後に工事可否を確認するのではなく、できるだけ購入契約前から希望するリフォームが可能な物件か確認することが重要です。
- 管理規約・使用細則
- 過去の大規模修繕履歴
- 長期修繕計画
- 専有部分と共用部分の区分
- 給排水管の状態・更新状況
- 床材の制限
- 間取り変更の可否
- エアコン設置条件
- 電気容量
購入を検討している段階でリフォーム会社にも物件情報を確認してもらうと、希望する工事が可能か判断しやすくなります。
築年数が古いマンションで確認したいポイント
築年数だけでリフォームの必要性を判断することはできませんが、築年数が経過するほど、室内設備だけでなく配管や建物全体の修繕状況も確認したいところです。
| 築年数の目安 | 確認したいポイント |
|---|---|
| 築10年前後 | 設備の不具合、内装劣化、メンテナンス状況 |
| 築15〜20年前後 | 水回り設備、給湯器、配管、内装など |
| 築20〜30年前後 | 専有部配管、電気設備、断熱・結露、間取り |
| 築30年以上 | 配管更新状況、建物全体の修繕計画、設備・構造上の制約 |
特に中古マンションでは、専有部分だけでなく、長期修繕計画や大規模修繕の予定も確認しておきましょう。
マンションリフォームでよくある失敗
管理規約を確認せずにプランを決めた
床材・工事時間・水回り移動などの制約が後から分かり、設計や商品選びをやり直すケースがあります。
マンション施工に不慣れな会社へ依頼した
マンション工事では、共用部分の養生、資材搬入、管理組合への申請、上下左右の住戸への配慮なども必要になります。
設備だけを決めて配管を確認しなかった
水回り移動では、設備のデザインやメーカーを決める前に、排水・給水・給湯・換気条件を確認することが重要です。
工事中の生活を考えていなかった
トイレ・浴室・キッチンが使えない日数を把握していないと、工事開始後に生活で困る可能性があります。
1社だけの提案で契約した
同じ要望でも、配管処理、間取り、設備選定、施工方法、工期などの提案は会社によって異なる場合があります。
マンション特有の条件まで含めてプランを比較
管理規約・配管・間取り・予算によって、できるリフォームは変わります。複数社のプランと見積もりを比較して、自宅に合う方法を確認しましょう。
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マンションリフォーム会社を選ぶ7つのポイント
- マンションリフォームの施工実績がある
- 管理規約を契約前に確認してくれる
- 配管・構造・換気を踏まえて提案する
- 管理組合への工事申請の流れを理解している
- 共用部分の養生・近隣対応について説明できる
- 見積もりの工事範囲が具体的
- 施工保証・アフターサービスが明確

契約前チェックリスト
-
- □ 管理規約・使用細則を確認した
- □ 管理組合への申請期限を確認した
- □ 希望する工事が可能か確認した
- □ 専有部分・共用部分の区分を確認した
- □ 床工事の条件を確認した
- □ 水回り移動は配管・排水条件を確認した
- □ 工事可能な曜日・時間を確認した
- □ エレベーター・共用廊下の養生方法を確認した
- □ 工事中に使えない設備と期間を確認した
- □ 追加工事が発生する条件を確認した
- □ 保証・アフターサービスを確認した
マンションリフォームに補助金は使える?
マンションの専有部分のリフォームでも、工事内容や住宅・世帯の条件によって、省エネ・断熱・バリアフリーなどの補助制度を利用できる場合があります。
ただし、対象工事や申請期間、予算上限などは制度によって異なり、年度途中で受付を終了する場合もあります。
マンションリフォームでよくある質問
マンションの壁は自由に撤去できますか?
すべての壁を自由に撤去できるわけではありません。室内の間仕切り壁なら変更できる場合がありますが、構造躯体に該当する壁や共用部分は変更できません。
マンションのキッチンは好きな場所へ移動できますか?
排水管への勾配、排気ダクト、給水・給湯管などの条件があるため、自由に移動できるとは限りません。現地調査で確認してもらいましょう。
窓を断熱サッシへ交換できますか?
窓枠や窓ガラスは共用部分として扱われることが多いため、個人判断だけで交換できないケースがあります。内窓などの方法を含め、管理規約を確認してください。
マンションリフォームは管理組合への申請が必要ですか?
必要な手続きはマンションによって異なります。工事内容を決める前に、管理会社または管理組合へ確認してください。
住みながらリフォームできますか?
部分リフォームなら可能なケースがあります。全面改修や水回りを複数同時に工事する場合は生活への影響が大きいため、仮住まいが必要になる場合があります。
マンションリフォームの費用はいくらですか?
専有面積・設備・施工範囲・間取り変更などによって大きく異なります。費用についてはマンションリフォーム費用の相場記事で予算別に詳しく解説しています。
見積もりは何社くらい取ればいいですか?
1社だけでは提案内容や工事範囲の違いを判断しにくいため、2〜3社程度を目安に、同じ希望条件で比較すると判断しやすくなります。
まとめ|マンションは「工事内容」より先に「制約」を確認する
マンションリフォームで後悔を防ぐために重要なのは、設備やデザインを決める前に、管理規約・専有部分と共用部分・配管・床工事・工事申請を確認することです。
同じ間取り、同じ築年数でも、マンションによってリフォーム条件は異なります。
まず管理規約を確認し、マンションリフォームの施工経験がある会社に現地を見てもらったうえで、複数社のプラン・見積もりを比較しましょう。